休日に仲間と一緒にレジャーを楽しむのもよいが、予定に縛られずにぜひ一人で楽しみたいアクティビティもある。
■試してみたい9つの“おひとりさま”アクティビティ
一人の時間を充実させてくれるサービスに満ち溢れている昨今だが、まだやったことがないならぜひ一人で試してみたい9つの“ソロ活動”がある。
1.ハイキング
自然に触れることで幸福感が増しストレスを減らすことが科学的にも確かめられている。近場で手軽に楽しめるハイキングだが、一人で行ったほうが自由に気ままな山歩きができる。
2.映画館での映画鑑賞
映画館はデートコースの定番でもあるが、本編の内容をじっくり堪能したいならむしろ一人で行くことが推奨される。
3.教室や講座に参加する
料理やカクテル作り、フラワーアレンジメントや絵画など、新たなスキルを身につけようと思えば誰かを誘うようなことはせず一人で参加してみたほうが新鮮な体験が得られる。
4.公園でピクニックをする
好きな食べ物と飲み物を持って公園に行き“一人ピクニック”をしてみてもよい。芝生にシートを敷いて寝転がるもよし、“積ん読”になっていた本を読んでみてもよい。
5.日帰り温泉やスパに行く
温泉やスパは一人で行ったほうが時間が有効に使える。すべてを自分のための時間にしてリラックスしてみたい。
6.コンサートやショーに行く
映画と同じく、音楽や演劇をフルに楽しもうと思えば一人で行ったほうが面倒が少ない。また立見席しかなかった場合は一人のほうが気楽だ。
7.美術館に行く
美術館もまた一人で回ったほうが充実した体験をしやすい。自分のペースで興味の趣くままに鑑賞することでさまざまな刺激が得られる。
8.夕食で外食する
外食の“おひとりさま”でゆっくりくつろいでみてもよい。テーブルに案内されて落ち着いたところでぜひ試みたいのは、どのくらいスマホを見ずにいられるかを確かめてみることだ。こうしたことで普段と異なる意識レベルになるためこれまで見逃してきた“気づき”や“発見”がもたらされる。
9.ドライブやツーリングをする
車やバイクでの一人旅はある意味で完全な“ソロ活動”である。運転中は人との繋がりが切れ(もちろん運転中の通話は厳禁だ)、自分のことが最優先になる。社会生活からしばらくの間完全に切り離されてみることで、気分がリセットされ今まで見過ごしてきたものが見えるようになる。
休日や休暇に“ソロ活動”を充実させてみてもよいのかもしれない。
■孤独のメリットとは?
“おひとりさま”や“ソロ活動”が奨励される一方で高齢化社会を迎えて孤独や社会的孤立が大きな問題になってきおり、孤独が2型糖尿病や循環器系疾患のリスクを高めるという研究も報告されている。やはり孤独は“悪者”なのだろうか。
しかし驚くべきことに最近になって実は孤独にはさまざまなメリットがあることが指摘されているのだ。
●クリエイティビティ
米・サンノゼ州立大学のグレゴリー・ファイスト教授の研究によれば、クリエイティブなアーチストや科学者には往々にして「社会規範への配慮が欠如」しており「孤独好き」であるということだ。
クリエイティブな人々は新しい考えや物事を受け入れる高い許容性を備え、自信と独立心が強いことから、自分のほうから社会への繋がりを求めないためであると説明できるという。
「アーチストたちは自分の内なる世界を理解しようとしていて、多くの個人的な経験を自分の芸術を通して表現し意味を与えようとしているのです」(グレゴリー・ファイスト教授)
またニューヨーク州立大学バッファロー校のジュリー・ボウカー氏の研究でも非社交性とクリエイティビティに強い結びつきがあることを報告している。むしろクリエイティブな作業には孤独は必須条件であるということなのかもしれない。
●内向性
優秀なリーダーはとにかく外向的な人物であるというイメージがあるが、内向的なリーダーが成功しているケースも少なくない。2011年の研究では、従業員に受身の者が多いピザチェーン店では外向的なリーダーが高い収益を生み、逆に従業員に前向きで積極的な者が多い店では内向的なリーダーが成功していることが示されている。
また別の研究では内向性と脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の活動の関係性が指摘されている。DMNとは一見何もしていないように見えても、いろいろなアイディアや雑念が浮かんでは消えている状態で、クリエイティビティの源ともいえる脳活動だ。そしてDMNはもちろん、孤独と静けさを必要としている。
●メンタルヘルス
ある人物がもし突然に周囲の人々との関係をすべて断絶した場合、当然のことながらなんらかの精神疾患の兆しを疑わせるものになる。しかしながらクリエイティブな非社交的人物の“引きこもり”はまったく意味が異なる。
前出のグレゴリー・ファイスト教授によれば、クリエイティブな非社交的人物は数少ないものの強い結びつきのある友人を持っている傾向があるという。数少ない友人であっても頻繁に会うことはないのだがこれが大きな幸福感に結びついているということだ。
クリエイティビティを高めたいと望むのなら、しばし孤独を選んでもいいのかもしれない。しかし根っからの社交的な人物にはお勧めできないというので、自分がどういう人間なのかを良く理解することも求められているようだ。
参考:「BBC」ほか
文=仲田しんじ
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