“友人”の数は自分が思っているほど多くない!? 友人関係にまつわる話題3選

ライフハック

“身辺整理”が意識されてくるタイミングがある。そんな時は何となく惰性で続いている友人関係を見直す良い機会でもあるのかもしれない。

■友人関係を見直してもよい残念な兆候4

 旧知の友人と末永い友情を育みたいと願うのは人情だが、お互いにとってあまり得るものがなく、そればかりか悪影響を受けかねない関係になっているとすれば一考が求められているということかもしれない。そこでライフスタイル情報サイト「Elite Daily」が、今後の関係を考え直してみてもよいかもしれない“友人”が示す兆候を4つ解説している。

●同じミスを繰り返す友人
 約束の時間や場所を何度も間違える友人は当然ながらちょっと考えさせられるだろう。自分に直接の被害はないケースであっても、同じミスを繰り返していてそこから何も学んでいないようであれば、今後の関係を少し考え直してみてもよいのかもしれない。

●間違いを認めずに他人を非難する友人
 先の指摘に関連するものになるが、何か残念な出来事の話をする際に、自分のことを棚にあげて関わった他者を非難するばかりの話し方をする人々がいる。「自分に非はなかったのか」という観点がごっそり抜け落ちているのだ。このような論法でばかり話をする友人には認識を改めたほうがよいかもしれない。この種の人物のわかりやすい特徴としては、飲食店などで店員に居丈高な態度で接する傾向がある。

●アドバイスを聞き入れない友人
 これも前の話と繋がるものになるが、例えば同じミスを繰り返す友人に何かアドバイスをしてみても、基本的に聞き入れる態度を見せないようであればやはり今後の関係を考え直したほうがよさそうだ。もちろん与えたアドバイスが気に食わなかったり間違っているととられることもあるだろうが、何一つまったく聞き入れないようであれば、今後の関係に問題が生じてくる可能性は高い。

 ただそういう態度をとる当人に特に悪気があるわけではなく、現状を肯定することが最優先になっているともいえる。余計なことは考えず今のままでこれからも楽しくやっていこうという基本姿勢である場合が多い。こうした態度があまりにも鮮明になっているようであればちょっと距離をとってみることも考えられる。

●すでに悪影響を及ぼしてくる友人
 金銭や仕事の頼みごとをしてきたり、あるいは頻繁に酒に誘ってくるなどすでに“被害”を被っているのなら、今後の関係は考え直す必要もあるだろう。“被害”を友情と解釈してできる限り助けたいというのも人情だが、根本的な解決は先延ばしとなって問題をさらに大きくする可能性を孕むことにもなる。そしてその問題による被害は他ならぬ自分に及んでくるのだ。何らかのタイミングでこのような友人たちとの“縁の切れ目”を意識してみてもよいかもしれない!? 

■“友人”は思ったほど多くない!?

 SNS時代を迎えた今日にあって、1人あたりの“友人”の数が増えているといわれている。だがこの“友人”の大半は実は単なる知人であるという研究が最近になって報告されているのだ。

 イスラエル・テルアビブ大学と米・マサチューセッツ工科大学の合同研究チームが2016年3月に発表した研究によれば、当人が“友人”だと思っている人々の約半分しか、その当人を友人と見なしていないことが指摘されている。つまり、本当の友人の数はその半分だったのだ。

 調査では、イスラエル、ヨーロッパ各国、アメリカの大学の84クラスの学生600人を対象に、同じクラスの学生について“友人度”を6段階評価で査定してもらった。“0”であればまったくの他人で、“5”であれば相互にギブアンドテイクな関係にある完全な親友ということになる。調査の結果、友人として見なしている94%のうち、その53%しかその当人を友人と認めていないことがわかったのだ。ざっくり言うと“友人”の半分はこちらの“片思い”だったということになる。

“片思い”の可能性が半分もあったというのはなかなか心中穏やかではなくなる結果だが、さらに既に発表されている6つの研究を分析したところ、“両思い”の確率は34%まで下がり得ることが示唆されている。

 なんとも残念な話題になるわけだが、“ソーシャル”な観点に立てばまた別の意味も帯びてくる。例えば友人に勧めらて入会したスポーツジムは、当人に大きな満足感が得られる傾向があることがわかっていて、友人の“説得”はきわめて強い効力を持つことが確かめられている。

 しかしそもそも友人だと思っていた人物の半数以上が単なる知人レベルの関係であったとすれば、この“説得”の効き目も5割以下で下手をすれば3割台ということになるのだ。ここぞとばかりに友人関係を前提にして“説得”に乗り出しても、思っている以上に“成功率”は高くないということになる。

 研究チームは今度も研究を深めて精度の高い“友情アルゴリズム”を作り上げて、両者の“友人”関係が両思いなのか片思いなのかを明らかにし、お互いの情報発信がどの程度の影響力を持つのかを簡単に判定する手法を編み出していきたいということだ。“友情”の内実が簡単にわかってしまうというのは、ある意味できわめて酷なことかもしれないが、実態に気づかぬまま後々に大きな誤解を生むよりはよいことかもしれない。

■友だちを作りやすい趣味サークルは?

 友人関係を見直す一方で、新たな友情を構築することにも少し考えを巡らせてみても良いのではないだろうか。大人になってからの友だち作りは難しいといわれているが決して不可能というわけでもない。むしろ、お互いに友情の酸いも甘いも噛み分けているからこそ、無理をせず長続きする関係を育むことができるのかもしれない。

 大人になってからの友だち作りの手段としては、特定の飲食店の常連になることや、趣味のサークルやボランティア活動に参加するなどが真っ先に挙げられてくるのだが、例えばどの趣味サークルが友だちを作りやすいのか? これについて興味深い研究が行なわれている。

 英・オックスフォード大学の研究チームは、コミュニティセンターで趣味サークルに参加した100名以上の成人を調査している。対象となった趣味サークルは合唱、アート、文芸の3種類で、いずれも週に1回、2時間の活動である。そして参加者全員に、開始1ヵ後、3ヵ月後、7ヵ月後の時点で、2時間の活動の前と後でどれくらいサークルの他のメンバーと親しくなったのかを評価(7段階)してもらったのだ。

 その結果、1ヵ月後の合唱サークル参加者が最も他のメンバーに親しみを感じていることが判明したのだ。合唱を行なう前と後では親近感が平均2ポイント上昇していたのである。一方、アートと文芸のクラスの参加者の親近感は平均0.5ポイントの上昇に留まっている。つまり友だち作りのためには、合唱サークルへの参加がきわめて有効であるということになる。ちなみに最初の1ヵ月で親近感の高まりはほぼ上げ止まり、すでに親近感を感じてしまっている状態なのでその後(3ヵ月後、7ヵ月後)はいずれのクラスでも微々たる上昇しかないということだ。

 研究を主導したアイルーンド・ピアス博士は、みんなで協力しなくてはならない合唱では、基本的には1人で行なうアートや文芸よりも他の参加者と打ち解けやすく、競争心よりも協調心が働くのでメンバー間の親近感が高まることを指摘している。言われてみれば尤もな説明だろう。社交ダンスサークルなどでも同様の効果があると思われるが、合唱の場合は参加へのハードルも低いため多くの人にとって有益な知見になるだろう。曲もクラシックだけでなくゴスペルや、日本には最近人気が復活しているといわれる「歌声喫茶」もある。新たな出会いを期待する向きには参考になる話題かもしれない。

参考:「Elite Daily」、「Huffington Post」、「Science」ほか

文=仲田しんじ

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