スマホ全盛の時代にあって“腕時計離れ”も指摘されている昨今だが、腕時計がマストアイテムだという人はまだまだ多い。そして腕時計を着けるべき理由は7つもあるという。
■腕時計を着けるべき7つの理由
携帯端末が全盛の昨今にあってもやはり腕時計は身に着けるべきなのだろうか。現代にあっても腕時計は必須アイテムであると主張する声も根強く、男性向けライフタイル情報コミュニティ「Real Men Real Style」の記事では現代の男性が「腕時計を着けるべき7つの理由」を紹介していて興味深い。その7つの理由とは以下の通りだ。
●便利である
一瞬チラリと視線を動かすだけで時間が確認できる腕時計に勝る時間の確認方法はない。またミーティング中に時間を確認する方法として、もし相手に気づかれたとしてもあまり失礼にならない点もビジネスマナー面では見逃せない。
●実用的である
スマホなどの携帯端末と比べて腕時計が最も実用的な面は駆動時間の長さである。これが現代にあっても軍人や探検家、ダイバーが腕時計を装着している最も大きな理由だ。最近はソーラー発電を採用したモデルも多く連続駆動時間が飛躍的に向上している点も特筆すべきだ。
●シンプルである
ストップウォッチや脈拍計機能などを備えた多機能ウォッチや、いわゆるウェアラブル端末であるスマートウォッチなども登場しているが、腕時計の神髄はそのシンプルさにある。時間を確認することだけに特化した腕時計を常に身に着けていることで“スマホ中毒”状態からかなりの部分解放される。
●効果的なアクセサリーになる
男性、特にビジネスパーソンにとってアクセサリーは非常に限られたものになるが、その中で左手首は個性を発揮するための数少ない“解放区”といえる。デザインに関してもある程度の自由が許容されているのが腕時計で、似合った腕時計をしていれば相手の好感を得ることもできる。
●熟練の職人技を実感できる
もちろんデジタル時計も便利であるが、アナログウォッチはまさに人類がこれまで築き上げてきた英知と技能を集結した精密機器である。アナログ時計に込められた驚くべき熟練の技巧を実感することで、身に着けている本人も優れた“仕事人”に成長できる。
●先祖代々の形見にできる
作りの良い腕時計はメンテナンスをすることでほぼ半永久的に使用することができ、先祖代々に伝わる遺産にすることができる。保管も容易で“形見”として残せる数少ない機器のひとつだ。
●時間との“つきあい方”を創造できる
腕時計を常に身に着けることで時間に対する意識が高まる。時の経過に対して積極的に関わることで、効率的に時間を使えるようになり、いわば“時を操る”ことができるようになる。
また、消耗の激しい車などに比べてメンテナンスに費用があまりかからない腕時計のコレクションは趣味としても優れている。限定生産品などはその後価値が増すこともあり資産になるという点も無視できない。決して時代遅れの生活習慣などではなく、腕時計にはまだまださまざまなメリットがあるようだ。
■腕時計を着けている人は「誠実で時間を厳守する人」
あらためて腕時計を見直してみたくなる話題が続いたが、科学的なアプローチからもまた腕時計は高い評価を受けているようだ。腕時計を常に身に着けている人はやはり勤勉性が高くて時間に几帳面であるという研究が発表されているのだ。
生物医学系のオープンアクセス学術誌「PeerJ」に昨年発表されたイギリスで行なわれた研究によれば、腕時計を着けることで誠実さが形成されるということだ。この結論は3つの調査によって綿密に分析されて導き出されたものである。
最初の調査は実験参加者112人(17歳~54歳で女性の割合は62.5%)に2003年に開発されたパーソナリティ心理学テストであるTIPI(Ten Item Personality Inventory)を受けてもらい、一連の回答を終えた後に腕時計を普段から身に着けているかどうかを尋ねた。調査の結果は、腕時計を着ける人たち(53人)は他の人たち(59人)に比べて誠実なパーソナリティーを持っている傾向が高いことが確認されたのだ。
2番目の調査ではインターネット上で回答者を募り、イギリスと北米在住の638人(女性の割合は48.6%)にTIPIと腕時計装着習慣の有無に加えて、携帯電話所有の有無や勤務形態(フルタイム勤務者、シフト勤務者、失業者、学生など)についても詳しく回答してもらった。ここでもやはり、日常的に腕時計を着けている人は誠実なパーソナリティーを持っている傾向が高いことが再確認された。
しかしやや気になる点は、腕時計を着けている人のパーソナリティーにおいて、外向性と開放性についてはやや低くなる傾向があることだ。腕時計愛好家は誠実で勤勉なあまり“堅物”になってしまわないように気をつけるべきなのかもしれない。
3番目の調査は90人(17歳~48歳、男性の割合は29%)の行動を観察した実験である。一度訪れていて道に迷うことのない場所へ集合時間を告げて集まってもらったのだ。するとやはり普段から腕時計をつけている人は、着けない人よりも時間を厳守し、集合時間に早めに到着する傾向があることが判明したのだ。
この結果、腕時計を常に身に着けている人は「誠実で時間を厳守する人」であるという結論に達した。逆に腕時計を身に着ける習慣を持つことで、「誠実で時間を厳守する人」になることもまた指摘されるかたちとなったのだ。
しかしこのような効能や実用性にあまりこだわらなくとも、お気に入りの時計を身に着けていれば気分も良くなるだろうし、購入を検討している時の商品選びもまた楽しいものだ。購入予定があってもなくても、各社の腕時計の最新モデルを時折チェックしてみてもよいのではないだろうか。
参考:「Real Men Real Style」、「PeerJ」ほか
文=仲田しんじ
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